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A Guide to Implementing the Theory of Constraints (TOC)

PowerPoints

Preface

Introduction

Contents

Next Step

Advanced

 

Bottom Line

Production

Supply Chain

Tool Box

Strategy

Projects

& More ...

Healthcare

 

Measurements

People

Process of Change

Agreement to Change

Evaluating Change

Leadership & Learning

 

 

生産性を高めることによる収益性の改善

誰もが生産を大きくすることの利点を理解しています。私達は、より多くのお金を投資し、より多くの人的資源を手当てし、より多くの機械を購入して、さらに儲けようとしています。そうですよね。ところが、生憎のことに、そうであってほしいと願うほどにはうまく行っていません。実のところ、せいぜいうまく行っても、利益の増加は微々たるものです。

より魅力的な選択肢は生産性を増大させることです。これは、一定の投資、一定の人的資源、および、一定の機械を使って、アウトプットを増大させることです。原材料のような変動費は、アウトプットに比例して増加しますが、業務費用は変わらないはずです。したがって、個々の追加的な販売から得られる利益への貢献により、単位当りの業務費用は小さくなります。

原材料費が30%、そして、業務費用(労務費を含むすべての固定費)が40%、利益が30%であるような典型的な製造会社で、生産性が20%だけ改善すると、営業利益は46½%増加します。

20%の生産性の向上は、収益性の46½% の改善をもたらします。

20%の生産性の向上は、収益性の46½% の改善をもたらす」なんて信じられますか。しかし、そうなんです。それでは、ここで、どうしてそうなるかを調べ、読者の皆さんのすべてが納得できるようにしましょう。まず、売上は20%増加します。販売数量が大きくなると原材料も増加するので、その分の増加した原材料費を払うために、増加した売上のうちの一部を、その支払に当てます。原材料の増加は、30%の20%、すなわち、6%です。したがって、収入の増加は、20%-6%=14%と鳴ります。それでは、相対的な収益性の増加はどうなりますか。それは、14/30%=46.66%です。ここでは、数字を丸めて、46½%としましょう。

それでは、利益を大きくするために、普通、よく行われるもう一つの選択肢、すなわち、コスト削減について考えて見ましょう。売上をそのまま今のレベルに保ちつつ、全社的な努力を行った結果、業務費用が10%だけ削減できたとします。果たして、その効果は、どれほどのものでしょうか。業務費用の10%の削減はとても大きな成果です。読者の皆さんも同意されますよね。業務費用は売上の40%です。したがって、40%の10%は4%です。したがって、コストの4%が節約されたので、利益の増加は、4/30%=13%です。

私達は選択肢を二つ持っています。すなわち、コスト削減を一所懸命にやり、13%の利益の向上を計る、もう一つは、生産性を大幅に向上して、利益を46?も大きくするという二つの選択肢です。皆さんは、どちらを選びますか。

この場合、もし、コスト削減を選ぶならば、もちろん、私達は、このコスト削減により、生産システムの中の重要な機能を決して損なわない方法で、この削減を実現しなければなりません。

好みは別にして、継続的に収益を改善するには、どちらの方法がより大きい可能性をもたらしてくれるのでしょうか。たしかに、コストを減らし続けることはできるでしょう。しかし、次回はどれくらいのコスト削減ができますか。また、さらに、10%の削減を行えますか。たぶん、10%は無理でしょう。おそらく、5%くらいですか。こういうことを1回か2回、繰り返すと、コストの削減の可能性はほとんどなくなります。そして、このようなコスト削減を23回繰り返した後に、需要が大きくなったらどうするのでしょうか。

コストの削減と対比して、繰り返し、生産性を高めることの可能性はどうでしょうか。その可能性は、極めて高いはずです。実際、この可能性は無限です。そして、継続的な改善こそ、行うべきことです。こうして、生産性の向上による継続的な改善は報われると同時に、限界がありません。

最後にもう一点。多くの会社は、時に、企業の買収を行って成長します。その場合、通常、市場から資金を調達し、企業買収を行って、「相乗効果」によって、自社企業の価値を増大させます。上で行った提案は、これとは異なり、本当の意味での組織としての成長です。その結果、しっかりしたキャッシュフローが確立され、それにより、事業をさらに成長させることができます。

 
低成長の時代で生産性の向上

今日、世界の多くの国々で、高い成長率は、昔の懐かしい思い出です。実際、国によっては、デフレが始っています。私達は、果たして、このような状況に、どのようにして適応して行ったらよいのでしょうか。

トヨタのジャストインタイムの創始者である大野耐一博士は、かって、下記のように言われています。

高度成長時代には、だれでも生産性を向上できる。しかし、低成長時代に入り、それによって生じてくる難しい状況では、いくつの会社が生産性を向上できるだろうか。この成否により、企業は成功するか、失敗するかが決まる(1)」

これが真実だとして、それでは、なぜ、会社は生産性を向上し、それによって収益性を改善しようとしないのでしょうか。

一般に、会社は、2つの制約のどちらかで成長を阻まれています。すなわち、必要なだけ生産を行えないか、または、必要なだけ売れないかのどちらかです。前者の場合、生産制約の状態にあるといい、また、後者の場合、市場が制約の状態にあるといいます。

生産量が減少する時には、世界のほとんどの人たちは生産性を向上できない。たとえ、生産性企業は、成長を妨げている制約を除去しなければなりません。そして、成長を妨げている制約の除去をどのようにしたら行えるかを知っている人たちが多ければ多いほど、より多くの会社が強くなれます。大野耐一博士は、1978年に低成長時代の企業運営について書いていますが、それはどの点から見ても、今日でも十分に適用可能な考え方です。

 
制約の種類

制約の種類についての分類はたくさんありますが、実際には、二つの種類に分けられます。

物理的な制約(Physical Constraints

方針制約(Policy Constraints

物質的な制約とは、人的資源、機械設備のような資源、原材料、時間や品質、または、供給上の問題を指します。方針制約とは、物理的なものではない、物事の考え方のような、すべてのインタンジブルな事柄を指します。

ここで気をつけて欲しいことは、「ほとんどの制約は物理的な制約である」とは思わないで欲しいということです。制約は、多くの場合、誰もがよく知っている物理的なボトルネックではありません。物理的な制約と思えるものは、実は、深いところに潜んでいる方針制約に由来しています。Goldrattを引用しましょう(2)。

「本当の意味での市場制約を持つ会社は、極めてまれである。市場が制約に見えても、本当の制約は、実は、物事をすっかり駄目にしてしまう、極めて破壊的なマーケティング方針である。現場に本当のボトルネックがあることは極めてまれである。通常、そこに見るものは、生産方針の制約である。仕入先が制約であることもほとんどない。そこに見るものは、購入方針の制約である。そして、すべてのケースで、それらの方針は、それらが作られた時には極めて理に適ったものであったが、問題は、それらの方針が作られたもともとの理由が、とうの昔に消滅しているにも拘わらず、これらの古い方針が残っていることである。」

実際、かりに、制約が方針であるならば、これらは信じられないほど強力な制約になってしまっています。実は、キャパシティは存在しているにも拘わらず、組織の内部で強固に保持されている仮定や信念により、単に、私達が私たち自身を抑制しているに過ぎません。組織にとり、他の組織が模倣することができない方針に、自分たちの方針を変更することは可能であるはずです。そのような条件を整えると、それは、強力な戦略的な強みとなり、これらの強みを戦略的に活用できるはずです。

 
確かに素晴らしい結果を得られる

MabinBalderstone82の組織についての文献調査を行い、そのうちの、データが30から32の組織についてのTOCの展開で得られた成果を数量的に測定し、改善の平均値を発表しました(3)。その結果の要約は次の通りです。

 

リードタイム短縮の平均値 70%

在庫レベルの低下の平均値 49%

売上/スループット/利益改善の平均値 76%

 

制約理論により、成果が得られることは明白です。読者の皆さんも、同様の成果を手にできます。どれほど迅速に結果が得られるかは、その会社がインプリメンテーションをどこから開始するかということと、その会社が、どの程度、TOCの概念に忠実に、TOCをインプリメンテーションできるかに依存しますが、産業がどのようなものであるかは、まったく、重要ではありません(4)。そして、もちろん、「迅速」という言葉の意味は相対的な意味であり、ここでは、それは数年ではなく数ヶ月を意味しています。

 
相乗効果

収益、またはスループット、または利益の増加は、サンクコストになっている業務費用を活用するので、一様に大きなものになります。サンクコストになっている業務費用の割合が大きければ大きいほど、改善される生産性の相乗効果は大きくなります。これを一種のアンプ(増幅器)と考えて見て下さい。シグナル(販売に向けられる物理的アウトプット)は、サンクコストになっている業務費用により増幅され、とても大きいスループットを生成し、したがって、利益を生みます。

 
うん、それは素晴らしい、だけど、うちは、利益追求の組織ではない

仮に、読者の所属している組織が、製品やサービスを販売し、収入を発生させ、そこから支払いを行うようなことをしていない組織だったとします。そうすると、そこには、業務費用を利用して利益を大きくするという相乗効果は起きません。しかし、その組織が目標としているアウトプットの増加の可能性は同じです。もし、あなたが所属している組織が営利的な収入を生成するためのものではなく、例えば、公益信託(charitable trust)であったとすると、その場合、この相乗効果は発生します。政府機関、ないしは、そのような性格を持つ組織は、予算を決められ業務を行っていますが、収入(予算)は決まっているので、業務の行い方が難しくなります。しかし、このような組織での挑戦は、手元の予算内で、サービスなどのアウトプットを最大にするにはどうしたらよいかということになります。

 
うちの会社は製造業じゃないよ

それでは、「うちの会社は製造業じゃないよ」を、「うちの会社はプロセスを行う会社じゃないよ」に置き換えてみて下さい。あなたは、正直にそう言えますか。たぶん、ノーでしょう。あなたは、「うちの会社は製造業じゃないよ」と言う場合、ご自身の心の中で壁を作り、製造業が経験していることから得られる演繹的な推論を、あなたが所属している非製造業で行われている「プロセス(業務処理)」へ当てはめることを行わない理由にしているのです。そんなことをしてはいけません。

サービス組織はどうでしょうか。それについて考えて見ましょう。サービスは、迅速に反応し、即座に提供すべきものです。したがって、実のところ、サービスの提供は、しばしば、たくさんの物理的なキャパシティに関係して行われます。そして、しばしば、それは十分に利用されていません。サービス業では、顧客を「貯蔵」することができません。したがって、もし、顧客がそこにいないならば、キャパシティを利用できません。こうして、もし、サービス組織に制約があるとするなら、それは物理的な制約ではなく、基本的に方針制約の性格を持つものでしょう。

 
要約

営利組織は、制約理論により、生産性の向上を通じ、収益性を大幅に増大させることができます。また、非営利組織も、制約理論によって、既存の資源を使って生産性を向上させ、アウトプットを大幅に増大させることができます。営利組織、非営利組織を問わず、組織は制約により、アウトプットの増大を妨げられています。したがって、どのようにして、制約に打ち勝つかを知ることは強力な改善ツールとなります。そして、この改善ツールが、顕著な改善をもたらすことは、これまでに証明されています。

次のセクションでは、業績測定尺度について考えて見ます。そして、このような業績測定尺度が、どのようにして、現在の貧弱な生産性を惹起しているか、について考え、どのようにしたら、この状態を改善できるかについて考えます。(翻訳:小林 英三)

 
References

(1) Ohno, T., (1978) The Toyota production system: beyond large-scale production.  English Translation 1988, Productivity Press, pp 114-115.

(2) Goldratt, E. M., (1990) What is this thing called Theory of Constraints and how should it be implemented?  North River Press, 162 pp.

(3) Mabin, V. J., and Balderstone S. J., (2000) The world of the theory of constraints: a review of the international literature.  St. Lucie Press, pp 11-12.

(4) Stein, R. E., (1994) The next phase of total quality management: TQM II and the focus on profitability.  Marcel Dekker, pg ix.

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